コラム

①神饌をいただいた場合どうすればいい?

参拝後、神酒、神饌を下さることがあります。
「お供え物のお下がりをいただく」ということは、「神様と同じものを食べる」ということです。天皇陛下が、大嘗祭(だいじょうさい)や新嘗祭(にいなめさい)で大切な神事としてなさっていらっしゃることは、神様に神饌をお供えして同じものを召し上がるという、古代から今に続く儀式です。おうちの料理などに含めてありがたくいただきましょう。

 

※大嘗祭(だいじょうさい)、新嘗祭(にいなめさい)とは

毎年11月23日は「勤労感謝の日」ですね。この名称になったのは大東亜戦争後ですが、戦前は「新嘗祭」という祝祭日でした。元々は旧暦11月後半の卯の日に行われていましたが、明治以降は新暦の11月23日と定められました。

2月や春に五穀豊穣発展を祈る「祈年祭(としごいのまつり=きねんさい)」の後、実りの秋を経て収穫を得られたのは、神さまの恵みやご先祖のおかげとして、感謝する収穫祭です。10月に伊勢神宮で行われる「神嘗祭」も同義のお祭りです。

起源を辿ると、「古事記」上巻には、須佐之男命が喜びに任せて暴れた所で「大嘗を聞こし看す殿」という言葉が出てきます。「日本書紀」には「天照大神の新嘗きこしめす時を見て」という言葉が出てきます。つまり天照大御神が、上位の神さまに現代と同じようにお供えをして感謝の祭をなさっておられたということがわかります。

新嘗祭は、天皇陛下が神嘉殿という宮中の社殿で、天照大御神や天神地祇に夜と翌朝の二度お供え物をたてまつられ、天皇陛下もご一緒に食されるという祭儀です。

全国の神社に於いても、宮中の儀に合わせて執行されています。

大嘗祭は、天皇陛下が即位された年に行われる新嘗祭のことで、一世一代のみ行われる祭儀です。占いによって決定した耕作田(悠紀田・主基田)から収穫されたお米を特にお供えし、この祭典を執り行う為だけに建築した大嘗宮という仮設のお宮にて祭典が執り行われます。皆さんも「令和の御代替わり」で令和元年11月14日から行われた大嘗祭が記憶に新しいと思います。

遙か神代の時代から現代に至るまで、連綿と続く神(親)恩感謝のお祭りです。

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