コラム

⑦日本人にとっての「かみさま」とは

日本人は、はるか昔より、太陽や月、山や海、空や大地、火や水などすべてのものごとに神さまがいらっしゃることを感じながら、特定の場所を神聖なお祈りの場として、神社を建てて、神まつりをしてきました。
神社では、その地域を守り生活に恵みと豊かさをもたらしてくれる神さまをまつり、日々感謝の気持ちをあらわしています。また更なる地域の平安と繁栄をお祈りしています。
その場所を清浄に保つお掃除も、お供え物をするのも、祈りのことばを神さまに伝えるのも、音楽や舞を奉納するのも、おみこしや「山笠」「山車」に神さまに乗っていただき地域を廻るのも、それぞれたいせつな「おまつり」です。
神さまとともに日々の生活を営みながら、家族や地域全体がみんな元気で暮らせるように祈り、感謝するのが日本人の暮らし方です。
昔は火も水も、簡単には扱えませんでしたから、竈など家の中のさまざまな場所にも神さまをまつってきました。生活様式が変わった今でも、神さまのご活動を感じることはさまざまな場面でできるでしょう。

また自分たちの先祖もやがて神さまになると考え、死者を慰め、先祖まつりも大切にしてきました。(これらを小泉八雲は「神国日本には道徳的美しさがある」と言いました)

こうした「こころ」は、「祭り」を通して、特に日本には昔も今も変わらず生き続け強く残っているのですが、世界中を見渡すとどこにでも同じような営みを見ることができますので、これこそが「人間らしさ」といえるでしょう。

みなさんの周りにも、大小さまざまな神社があると思います。
「うじがみさま(氏神様)」「ちんじゅさま(鎮守様)」「とちがみさま(土地神様)」「うぶすなさま(産土様)」と呼び親しまれてきた神社があります。

近くの神社を探してお参りしてみてください。きっと何かを感じることができるでしょう。

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